外壁のサイディングは経年劣化や気候の影響を受けやすく、その寿命も気になるところです。しかし、適切なメンテナンスを行うことでサイディングの寿命を延ばすことが可能なのです。
この記事では、サイディングの寿命についての疑問を解消し、日常のメンテナンスでサイディングの寿命を延ばすコツをご紹介します。
外壁のメンテナンスに悩んでいる方や寿命を延ばしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
サイディングの寿命はどれくらい？
サイディングの寿命は、使用される素材やメンテナンスの程度によって大きく変わります。単純な数字でサイディングの寿命は語ることができず、さまざまな要因によって変動します。適切な素材の選択と定期的なメンテナンスが、サイディングの寿命を延ばすために重要な役割を果たします。
サイディングの寿命は15～30年程度
サイディングの寿命は15〜30年程度です。サイディングとは、外壁を覆うために用いられる板状の素材です。これには金属、木、窯業系、樹脂など、様々なタイプがあります。寿命が15年から30年と幅広いのは、素材によって耐久性が異なるためです。
例えば、窯業系や金属系のサイディングは約20〜30年持つとされています。木質系は少し短く、15〜25年の寿命です。樹脂系サイディングも約20〜30年と長持ちします。
サイディングの種類によって、その家の外観や耐久性が大きく変わることを覚えておくと良いでしょう。
メンテナンス次第でサイディングの寿命は変わる
サイディングは住宅の外観や耐久性に影響を与える重要な要素です。しかし、メンテナンスが行き届かないと、サイディングの寿命に影響が出ます。
適切な洗浄や定期的な点検がサイディングを劣化から守り、その寿命を延ばします。また、定期的な塗装や補修も重要です。適切なメンテナンスを行うことで、サイディングの耐久性が向上し、修繕や交換のコストを削減できます。
サイディングをメンテナンスする目安
サイディングは外壁の保護や美観を保つ重要な役割を果たしていますが、適切なメンテナンスを怠ると劣化や損傷が進み、修復コストがかさんでしまいます。
以下では、メンテナンスをするべき目安をお伝えします。
10年に1度はメンテナンスをおすすめ
サイディングをメンテナンスする目安は、約10年に1度です。
サイディングは外壁を保護する重要な役割を果たしていますが、時間と共にその機能が低下します。色あせ、ひび割れ、汚れなどが目立ち始めたら、メンテナンスの時期が近づいているサインです。定期的なメンテナンスは、サイディングの寿命を延ばし、住宅の外観を美しく保つためにも欠かせません。
10年ごとのメンテナンスでは、専門家による点検を含め、必要に応じて補修や塗り替えを行うことが理想的です。こうすることで、サイディングは常に最良の状態を保ち、家全体の価値を高め続けることができます。
メンテナンスすべきサイディングの劣化サイン
家の外観を美しく保つために、サイディングのメンテナンスが不可欠です。劣化したサイディングを見逃すと、損傷が拡大し、修復コストが高額になることがあります。
メンテナンスすべきサイディングの劣化サインについて、以下で詳しく解説していきます。
ひび割れ
サイディングの表面に細かいひびが見られる場合、これは塗料の劣化のサインです。
細かく分かれたひびや塗膜の剥がれは、外壁の保護機能が低下していることを示しています。この状態を放置すると、雨漏りやカビの原因となり、内部構造にも悪影響を及ぼす可能性があります。早期の対処として塗り替えを検討することが重要です。
色褪せ
サイディングの色褪せは、紫外線の影響によって発生します。
これは塗料の劣化を示すサインであり、直ちに内部に影響を与えるものではありません。しかし、色褪せが進むと、サイディングの独特の質感を保つことが難しくなります。軽度の色あせなら問題ありませんが、ひどい場合は再塗装だけでは対応できず、早めの塗り替えが必要です。
チョーキング
チョーキング、または白亜化とは、外壁を触ると白い粉が付く状態を指します。
これは外壁の表面の樹脂が劣化し、下層の染料が露出している状態です。この現象は外壁の保護機能の低下を意味し、防水性の減少や汚れ、カビの付着を引き起こす原因となります。塗り替えを行う場合は、高圧洗浄で表面をきれいにしてから行わないと施工不良のリスクがあります。
カビやコケ
サイディングにカビやコケが発生するのは、建物の年数が経過し、外壁の表面が劣化してきたサインです。
通常、サイディングは汚れにくい特性を持っていますが、時間が経つにつれて汚れが付着しやすくなります。これ自体は直ちに大きな問題を引き起こすものではありませんが、塗料の劣化が進んでいる場所でカビが増えると、雨漏りや内部構造への悪影響を引き起こす可能性があります。
サイディングのメンテナンス費用相場はどれくらい？
サイディングのメンテナンスは、基本的に塗装工事を行います。この工事の費用は使用する塗料の種類によって異なりますが、一般的に30坪の家で約70万円から165万円程度が相場とされています。
高品質で耐久性に優れたサイディングを使っている場合、塗装の代わりにコーキングの交換だけを行うこともあります。コーキング交換の費用は1メートル当たり800円から1100円ですが、これには足場の設置費用も加わります。
これらの費用は、家の大きさや状態、地域によって変動する可能性があるため、具体的な見積もりを取ることが重要です。サイディングのメンテナンスにかかる費用を理解しておくことは、住宅の維持管理計画を立てる上で非常に役立ちます。
サイディングの寿命が来たらどうするのか
サイディングは耐久性があり、外壁を守る重要な役割を果たしています。しかし、時間が経過すると劣化し、修復や交換が必要になります。サイディングの寿命が尽きたら、どのように対処すればよいでしょうか。
以下では、その方法について解説していきます。
張替え工事
サイディングの寿命が来たり、雨漏りの疑いがある場合、張り替え工事が適切な選択です。
この工事では、既存のサイディングを完全に取り外し、新しいものに交換します。取り外し作業を行うことで、建物の内部、特に防水紙や木部の状態を詳細にチェックすることができます。撤去には費用がかかりますが、傷んだ部分をしっかりと交換できるため、長期的な安心感が得られます。総合的な建物の健康を保つために、張り替え工事は大きな意味を持ちます。
カバー工事
カバー工事は、既存のサイディングを取り外さずに新しい外壁材を上から被せる工法です。
多くの場合、金属系サイディングが利用されます。この方法の大きな利点は、既存外壁の撤去費用が不要であることから、張り替え工事に比べてコストを抑えられる点です。しかし、外壁を取り外さないため、内部の防水紙や木部の状態を確認できないというデメリットがあります。そのため、すでに雨漏りが発生しているか疑われる場合には、この工法は適していません。カバー工事は、コストを考慮しつつ、外壁の更新を行いたい場合に適した選択肢です。
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